体幹トレーニングの真実
『体幹トレーニング』という言葉を聞いたことがある方はたくさんいらっしゃると思います。実際に体幹トレーニングをされている方も多いかと思います。それだけメジャーになった『体幹トレーニング』
ちなみに、「体幹」という言葉は、10 年前の国語辞典には載っておらず 、割と最近認知されてきた言葉だということが分かります。
しかし、一般的な体幹トレーニングは身体に無駄な負荷を掛けてばかりで、本来の体幹トレーニングの目的を見失っているものを多く見かけます。今までと大して変わり映えのしない筋力トレーニングを行い、インナーマッスルを鍛えても実際の動作では使えない状態となっています。
身体のパフォーマンスを上げるためには、股関節や肩関節などの可動域、それらを取り巻く筋肉をうまく活躍させることが必要になってきます。
過度なアウターマッスルの強化は、関節に制限をかけてしまい身体のパフォーマンスを下げてしまうのです。
つまり、それまでの努力が無駄になってしまうということです。 無駄になるだけならまだいいのですが、残念な問題に繋がることもあります。
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ケガをしやすい身体になっている。
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健康寿命を短くしてしまっている。
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運動パフォーマンスを落としている。
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有名選手が体幹トレーニングを行った結果、逆にパフォーマンスを落とし、選手生命の幕を閉じた。
なぜ、実際の動作で機能しないのか?
それは、身体の軸となる筋肉を働かせてトレー二ングできていないからなのです。
軸というと、一本の固いまっすぐな棒のようなものが通っている、身体の重心点を通っている、まっすぐな線、重心を安定させると軸も安定する、体幹を鍛えれば、軸が整う。というのが皆さんのイメージかと思います。
身体の軸とはここの位置に軸を形成することで、それによって身体の機能が向上して行きます。
軸を形成する筋群は、以下の筋肉があります。
・頭長筋・頚長筋・多裂筋・前鋸筋
・腹斜筋・腹横筋・横隔膜・大腰筋
・骨盤底筋群 ・内転筋群 ・ハムストリングス
・膝窩筋 ・ヒラメ筋 ・後脛骨筋 ・腓骨筋
「センター 体軸 正中線」 高岡英夫著より
これらの筋肉が優位に働くということは、体幹のインナーマッスル主体で動けることを意味し、アウターマッスル の余計な緊張を落とすことが出来ます。
余計な緊張が落ちることで、筋肉同士や筋肉・骨とが組織分化されそれぞれの特性を最大限に活かした 動きが出来るようになります。結果、運動パフォーマンスが上がります。
軸とは、あくまでも意識です。 厳密に物質として体内に存在している訳ではありません。 軸を作る筋が優位に働くことで、実感として軸が存在するような感覚のものです。
当サロンでは、通常のトレー二ングの効果を引き出し、インナーマッスル優位へのトレーニングおよび関節可動域、柔軟向上のトレーニングを提供しています。
インナートレーニングの効果
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軸を作ると体幹はインナーマッスル主体の動きが出来て。筋トレ効果をアップする。
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そこから、目的とする動作に関係する筋力や柔軟性などを積み上げていく。
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本番でも、インナーマッスルを優位に出来るので、常に高い運動パフォーマンスを発揮できる。
つまりパフォーマンスを向上するためには 体軸を形成することが出来る体軸筋を鍛える。 そして、その筋肉を効かせつつ、筋トレをする。
これに対して形を真似た体幹トレーニングは
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インナーマッスルを単体として考えた筋トレを行っている。 他の筋肉との繋がりが不明瞭
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筋トレをしてインナーマッスルの力がついたら、 その筋力がそのままスポーツで活かせると思っている。
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一見筋力はついたとしても、運動パフォーマンスの向上が 芳しくない。
というのが現状だと思います。
軸の左右バランス
本来の理論からすると、身体のセンターは左右のバランスの話だけではありません。 バランスとは、どのように捉えられているでしょうか?。
<一般のバランスの考え方>
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筋肉も骨格も左右同じが良い。
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左右同じでないと、軸が中心を通らないと考えている。
そのため整体などで左右差を治す。
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野球のピッチングやバッティングのように一方向に使う動作が多いと、身体に左右差が生まれてバランスが崩れるため、健康面に良くないと思っている。又は、パーフォマンスが下がると思われる。
上記のような意見が一般論としてありますが、実際問題どうでしょうか?例えば、野球選手がバットを振る時、一方向に身体を使いますが、それって間違っていますか? パラリンピックの選手は身体に左右差がありますが、あれは間違いですか?
<軸を作るバランスの考え方>
・ 軸は、体性感覚や意識のことなので、筋肉や骨格の左右差はあまり関係ない。
・ 見かけ上の左右差があっても、軸が働いていればほとんど問題ない。
・ 軸が効いていて、体性感覚である軸が通っていれば、パフォーマンスは高くなる。
上記のような考え方なら、一方向に身体を使いがちな野球でも一流の選手が存在している理由が分かる かと思います。パラリンピックの選手で、身体に左右差があっても素晴らしいパフォーマンスを発揮してい る理由が、ここにあります。
また、身体を傾けた時、丸めた時も同じで、軸を作る筋群が働いていれば、寝ていても体勢が斜めでもセンターの状態だということです。
以上のように体幹トレーニングは、アウターマッスルではなく、インナーマッスル、大腰筋や腹斜筋などを鍛える筋肉としてフォーカスをあてるトレーニングです。
形だけを真似し、本来の目的である体幹をトレーニングするためにはどう身体を使うべきか、ここを知らずにやってしまうと「腰が痛い、肩が痛い」などの残念な結果に繋がってしまうのです。
だからと言って、大腰筋だけ強化する訳ではありません。ある一箇所の筋肉だけを強化するのではなく、そこにつながる筋肉を全て促通させることで体幹は安定します。例えば、大腰筋であれば、大腰筋~骨盤底筋~内転筋といった繋がりがあるので、内転筋まで連動させて鍛えると体幹は安定します。
そうすることで、体幹トレーニングは肩こりや腰痛の改善など運動療法としても使え、もちろん、スポーツにおいてもパフォーマンスを上げることに役立つのです。
この筋肉の使い分けがわかっているか、いないかは体幹トレーニングをする最重要なポイントになってきます。
やり方一つで効果が変わる、それが体幹トレーニングです。
本来の目的を踏まえつつどう筋肉を使い分けるか、鍛える筋肉と鍛えない筋肉、それらを明確にしトレーニングすること体幹トレーニングの真実なのです。