その筋トレ間違ってるかも?!
よく本やネットで紹介されている筋力トレーニング。トレーニングジムなどで皆さん鍛えていますよね!筋トレのメリットは様々にあります。
基礎代謝の向上、成長ホルモンの分泌のサポート、ボディメイク、健康的な見た目、QOLの向上。肉体的な部分だけでなく精神的にも良い影響を与えてくれます。
ただし、一般的に言われる筋力トレーニングは「メジャーマッスル」(アウターマッスル)を『主要な部位だけを鍛える』と言う考えに陥りやすく、使われやすい筋肉だけを鍛えてしまいます。
確かにこれらのトレーニングをすれば、筋力はつくので瞬間的にはパフォーマンスは 上がりますが、スポーツの場面では長期的に見てこれらのやり方はパフォーマンスを下げかねません。
例えばシッティングで行うレッグエクステンションは、負荷をかけて膝の伸展動作を行うことで、大腿四頭筋の筋収縮を高めることができます。 しかし、日常生活で同じように腰をかけて力を込めて膝を伸ばすことはありますか?スポーツのパフォーマンスではもっと見当たらないかと思います。
人の身体は、複雑な関節を連動させて動いています。 歩行動作だけでも、足関節・膝関節・股関節・肩関節の屈曲伸展(回旋)、脊柱の回旋など機 能解剖で動きを表すと複数の関節運動で成り立っています。 スポーツにおける動きは、より複数の関節の連動性が関係してきます。 その中で、ある一部分の動作のトレーニングをしていても、動作全体のパフォーマンスは上が りません。
単一的な動きのトレーニングは、一つの関節の最大屈曲もしくは伸展で筋収縮を促します。 しかし、この動きは関節を固めることで筋力を最大発揮するので、鍛えた筋肉の収縮が促さ れたときに、自然と関節を固めようとし始めます。
ゆえに、単一的な動きのトレーニングは動作や筋力の発揮の仕方が今までと変わってきてし まうので、バランスが崩れてしまい連動性が悪くなることでパフォーマンスが落ちます。
メジャーマッスル優位の体は固まりやすくケガをしやすい
剛構造の鉄筋コンクリートのビルと柔構造の五重塔の 2 つの建物を例にしましょう。
前者は建物構造自体を固めているので安定感があります。 しかし、地震の揺れが来たとき、建物全体が地震の揺れと比例して増大し、建物の耐久性を 超えたときは崩れ落ちます。 後者は中心に心柱を置き、それを基準に周りを積み重ねていきます。 一見不安定のように見えますが、建物自体がたわむことで、揺れや衝撃を吸収することが出 来、崩れにくい特性があります。
これは人の身体においても同じことが言えます。 私たちは常に歩く・座る・走るなどの動作をしています。 地面からの衝撃や重力による負荷、動作による捻りなどあらゆる状況で揺れや衝撃を受けて います。
外側だけを鍛えて安定性を手に入れた身体は、鉄筋コンクリートのビルと同じで、揺れや衝 撃を吸収できずに限界を迎えると大きなケガをすることになります。
力の発揮を固定台に頼る
ベンチなどの固定台を使ってトレーニングをすることは、スポーツのパフォー マンス向上に影響はほとんどないです。むしろマイナスです。固定台を支えにして重りを上げることをし続けると、力を発揮する際にその支えがないと上手 く力を伝えることが出来なくなります。 ベンチプレスであれば、立位の状態で相手を押す動作の際に、背中に支えがないため相手 に力をうまく伝えられず、身体が後方へ押し戻されます。
これは自分の脚や体幹とその動作が連動していないことが原因です。
部分的な筋力トレーニングではなく、体幹部と四肢をつなげて力を連動させて動く必要があり ます。
ただ、ベンチプレスをしてはいけないというわけではありません。 いつも行っているトレーニングもひと工夫するだけで、全く違う効果を得ることが出来ます。
この筋トレはしなくていい
筋肉の中でも、必要以上に鍛えてしまうと姿勢が崩れ、パフォーマンスを落とすことがありま す。
大腿四頭筋・中殿筋・腓腹筋・三角筋・腹直筋がそれにあたります。
これらを主としたトレーニングは、今後パフォーマンスの向上を目指している方はやめましょ う。これらの部位は鍛えようとしなくても、トレーニングをする上で必然的に鍛えられます。 また、固めるだけのトレーニング
は揺れや衝撃に耐えることが出来ない身体づくりになるの で、ケガをしたくなければこちらも控えましょう。
例)レッグエクステンション、サイドレッグレイズ、カーフレイズ、フロントサイドレイズ、アイソメト リック系のトレーニング etc.